移植が必要と診断されたIII度熱傷

1歳男児。アイロンが倒れ左手を受傷した。かかりつけ小児科を受診し、病院形成外科を紹介され、消毒しスルファジアジン銀クリーム塗布。5日目にIII度熱傷のため植皮しなければ治らないと言われ、ネットで検索し、当院受診した。祖父母の家から通院し治療した。
当初より手術の必要性、時期を手の外科専門医に相談していた。
なお、全身診察するも外傷はなく、帰京後も近医に様子観察を依頼している。

非常に衝撃的な写真ですので医療関係者及びIII度熱傷で移植が必要と言われ、ここにたどり着い方以外ご覧にならないほうがいいかもしれません。


























初診時(受傷3日目)


流水で洗浄後、ワセリンを塗布したモイスキンパッドでミトン状に被覆した。
家庭でも同様な処置を1日2−4回してもらった。
指腹に発赤、腫脹認め化膿と判断しCFDNを投与した。

受傷4日目

家庭でも同様な処置を1日2−4回してもらった。


受傷5日目

感染兆候(発赤・疼痛・熱感・腫脹)なく抗生剤中止した。
ステロイドの外用も上皮化を遅らせると判断しこの時点では使用していない。


受傷6日目


受傷7日目


受傷13日目

イクラ状に過剰肉芽が形成されたので、IV群のステロイド軟膏を使用した。


受傷17日目

過剰肉芽は消失した。


受傷25日目


受傷32日目


受傷39日目

完全に上皮化した。


受傷67日目


MP関節の可動性は良好、PIP関節は自分では曲げないが、睡眠中父がマッサージのように曲げてあげていた。
手の外科に相談したが、もうしばらく瘢痕が安定するまで待とうというアドバイスを頂いた。


受傷10ヶ月後


10ヶ月後に受診され、このように指も動くようになり、ご両親とも大変喜んでおられた。
この時点で手の外科に紹介し、指間形成術を施行してもらった。
「早期運動のおかげで手背の皮膚が十分に伸長され良いフラップになりました」との返事を頂いた。

受傷2年後


「ここまで治りました」とわざわざ見せに来られました
実際は写真で見るより傷は目立たないです。本当に皮膚移植をせずに良かった仰っていました。



2週間しても上皮化しない場合でも正しく湿潤療法を行えば【少なくとも創を閉鎖するための】皮膚移植は不要です。
やけどをされた場合

http://www.wound-treatment.jp/


ここから「熱傷を湿潤療法で治療している医師」
に連絡を取って指示を受けることを強く勧めます。