油によるIII度熱傷

1歳女子


画像が衝撃的ですので医療関係者やIII度熱傷で移植が必要と言われた方以外、閲覧ご注意ください。
20ヶ月目目

ここまで治った熱傷の経過です。



















テーブルの上に置いた天ぷら油入れを倒し、天ぷら油をかぶって受傷した。
救急車にて搬送された病院形成外科にて腕の熱傷はIII度のため植皮が必要と説明された。
翌日、発熱し、かかりつけの小児科診療所を受診し、両親がネットで調べた湿潤療法について相談され、当院を紹介、翌日受診した。
初診時(受傷3日目)

流水で洗浄し、大人用紙おむつを吸収体としたプラスモイストトップで被覆した
翌日


3日目


4日目


8日目


14日目


21日目


38日目


44日目


10ヶ月目目


20ヶ月目目

瘢痕はここまできれいになった。触った感じも柔らかく瘢痕という感じではない。


『熱傷診療ガイド』などによるとIII度熱傷(DB)では植皮術が必須であり、深達性II度熱傷(DDB)でも瘢痕拘縮となり、さらには瘢痕癌になることもあることから、植皮の適応になることが多いと述べられている。しかしながら、熱傷の深達度の診断は困難であるため、受傷後2週間をエンドポイントとし、上皮化が得られない場合は植皮術の適応になるとされている。
そもそも、深達性II度(DDB)以上の深い熱傷では、受傷後2週間では上皮化は進行途上であり完了していなくて当然である。したがって、従来の治療法では、これらの深い熱傷は基本的に全て植皮となる。一方、正しく湿潤療法で治療した場合、むしろ2週間を超えてから上皮化が進む。上皮化すれば植皮術は不要となるので、III度熱傷(DB)こそ、正しく湿潤療法で治療すべきという理由がここにある。

お子さんがやけどをされて「皮膚移植が必要」と説明された場合場合

http://www.wound-treatment.jp/


ここから「熱傷を湿潤療法で治療している医師」
に連絡を取って指示を受けることを強く勧めます。
移植手術を受けてしまうと取り返しがつきません。

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